2025/08/18
コールセンター、オフィス構築
コールセンターの言葉遣い例文集|電話対応の質を上げる基本と実践
「お客様に失礼な言葉遣いをしていないか不安…」 「クレームの電話で、頭が真っ白になって言葉が出てこない…」
コールセンターやお客様対応の現場では、言葉遣い一つで会社の印象が大きく変わります。
この記事では、コールセンターの業務効率化や品質向上を支援する株式会社ドリームソリューションが、現場で本当に役立つ電話対応の言葉遣いを完全網羅で解説します。
この記事を最後まで読めば、あなたの電話対応への苦手意識は自信に変わり、お客様からの信頼を得て、キャリアアップにも繋がるでしょう。
なぜ言葉遣いが重要?コールセンターにおける3つの理由
まず、なぜコールセンターで正しい言葉遣いが求められるのか、その重要性を確認しましょう。
- 会社の「顔」であるため お客様にとって、オペレーターは会社の代表です。丁寧な言葉遣いは、会社全体の信頼性やブランドイメージに直結します。
- 円滑なコミュニケーションのため 正しい言葉遣いは、お客様に安心感を与え、話を聞いてもらうための土台となります。誤った言葉遣いは、お客様に不信感を与え、本来伝えるべき情報が伝わらなくなる原因になります。
- 顧客満足度と成果向上のため 質の高い応対は、顧客満足度を向上させ、リピート購入や契約に繋がります。クレーム対応においても、適切な言葉遣いがお客様の怒りを鎮め、ファンに変えるきっかけにさえなり得ます。
まずはここから!電話対応・敬語の基本ルール
実践的な例文の前に、全ての土台となる基本ルールをマスターしましょう。
敬語の基本:尊敬語・謙譲語・丁寧語の使い分け
敬語を正しく使い分けることは、社会人としての基本マナーです。
- 尊敬語:相手を立てる言葉。主語が「お客様」のときに使います。(例:お客様がおっしゃる)
- 謙譲語:自分がへりくだる言葉。主語が「自分・自社」のときに使います。(例:わたくしが申し上げる)
- 丁寧語:言葉遣いを丁寧にする言葉。語尾に「です・ます・ございます」をつけます。(例:その通りでございます)
よく使う言葉の言い換え一覧表
日常会話の言葉をビジネス用の言葉に変換する練習をしましょう。
日常会話 | ビジネス用の言葉遣い |
私、僕 | わたくし |
私たち | わたくしども |
相手の会社 | 御社、貴社 |
さっき | さきほど |
あとで | のちほど |
どうですか? | いかがでしょうか? |
誰ですか? | どちら様でしょうか? |
分かりました | かしこまりました、承知いたしました |
すみません | 申し訳ございません(謝罪)、恐れ入ります(依頼) |
心構えと声のトーン
- 心構え:お客様が「何に困って」「どんな気持ちで」電話をかけてきたのかを常に想像しましょう。
- 声のトーン:対面より少しだけ高い「ソ」の音を意識すると、明るく聞き取りやすい声になります。口角を上げて笑顔で話すのが、声を明るくする一番のコツです。
【シーン別】そのまま使える!電話対応の言葉遣い・例文集
ここでは、実際の会話を想定した具体的な例文をシーン別にご紹介します。
1. 電話を受ける際の第一声(受電)
会社の第一印象を決める最も重要な瞬間です。
「お電話ありがとうございます。株式会社〇〇、△△(自分の名前)が承ります。」
(3コール以上お待たせした場合) 「大変お待たせいたしました。株式会社〇〇でございます。」
2. 電話をかける際の第一声(架電)
用件を簡潔に、かつ丁寧に伝えることが大切です。
「いつもお世話になっております。わたくし、〇〇株式会社の△△と申します。恐れ入ります、営業部の〇〇様はいらっしゃいますでしょうか。」
3. 保留・取り次ぎの丁寧な伝え方
お客様を待たせるときは、理由と時間を明確に伝えましょう。
「〇〇(担当者名)に代わりますので、少々お待ちいただけますでしょうか。」
(確認に時間がかかる場合) 「恐れ入ります、確認に3分ほどお時間をいただいてもよろしいでしょうか。もしお急ぎでしたら、のちほどこちらからおかけ直しいたします。」
4. 担当者が不在のとき
不在の理由を伝え、代替案を提示するのがプロの対応です。
オペレーター:「申し訳ございません。あいにく〇〇は席を外しております。15時頃に戻る予定ですが、いかがいたしましょうか?」
お客様:「そうですか。では伝言をお願いできますか?」
オペレーター:「かしこまりました。わたくし、△△がご用件を承ります。」
【ワンポイント・アドバイス】不在理由の伝え方
- 他の電話に出ている場合:「あいにく、別の電話に出ております。」
- 会議中の場合:「申し訳ございません、ただいま会議に出ております。」
- 休暇中の場合:「申し訳ございません、〇〇は本日、休暇をいただいております。」
【最重要】クレーム対応の言葉遣いと心理的5ステップ
クレーム対応は、お客様との関係を再構築する最大のチャンスです。以下のステップとフレーズを覚えておきましょう。
- ステップ1:真摯な傾聴と謝罪 まずはお客様のお話を遮らず、最後まで真摯に耳を傾けます。そして、不快な思いをさせたことに対して、まず謝罪します。
「この度は私どもの製品でご不快な思いをさせてしまい、大変申し訳ございません。」 - ステップ2:状況の復唱と事実確認 お客様のお話を要約・復唱し、認識にズレがないかを確認します。
「〇〇様がおっしゃっているのは、△△という商品が届いた際に、箱が破損していたということでよろしいでしょうか。」 - ステップ3:共感を示す お客様の感情に寄り添う一言を添えます。
「楽しみにお待ちいただいていたにもかかわらず、がっかりされたお気持ち、お察しいたします。」 - ステップ4:原因の究明と解決策の提示 原因を説明し、具体的な解決策や代替案を明確に提示します。
「原因をすぐにお調べし、責任を持って今後の対応をさせていただきます。つきましては、本日中に新しい商品を発送させていただくことで、いかがでしょうか。」 - ステップ5:感謝と再度の謝罪 最後にもう一度謝罪し、貴重なご意見をいただいたことへの感謝を伝えます。
「この度は、貴重なお時間をいただき、誠にありがとうございました。ご指摘いただいた点を真摯に受け止め、改善に努めてまいります。重ねて、この度は大変申し訳ございませんでした。」
これだけは避けたい!NG言葉遣いと言い換え一覧
無意識に使ってしまいがちな、お客様に不快感を与える言葉遣いです。必ず確認しておきましょう。
NGな言葉遣い(こんな言葉は使わない!) | 正しい言い換え・改善例 |
分かりました、了解です | かしこまりました、承知いたしました |
すみません | 申し訳ございません(謝罪)恐れ入ります(依頼) |
(在庫が)ないです | あいにく、在庫を切らしております |
ちょっと待ってください | 少々お待ちいただけますでしょうか |
どうしますか? | いかがいたしましょうか? |
~でよろしかったでしょうか(コンビニ言葉) | ~でよろしいでしょうか |
とんでもございません(間違い敬語) | とんでもないことでございます |
ご確認ください(命令形) | ご確認いただけますでしょうか |
言葉遣いを身につけるための効果的な研修・練習方法
正しい言葉遣いは、知識として知るだけでなく、実践して初めて身につきます。効果的な研修・練習方法をご紹介します。
- 座学研修:まずは本記事のような教材で、敬語の基本や正しい言い回しといった基礎知識をインプットします。
- ロールプレイング研修:オペレーター役とお客様役に分かれ、実際の場面を想定して練習します。クレーム対応など、様々なシナリオを用意するのが効果的です。
- OJT研修:先輩や上司がサポートについた状態で、実際のお客様対応を行います。実践的な対応力が最も身につく方法です。
- 通話録音の活用:自分の応対を録音して聞き返すことで、声のトーンや口癖など、客観的な視点で課題を発見できます。
まとめ
コールセンターや電話対応における正しい言葉遣いは、お客様との信頼関係を築くための最も重要なスキルです。
この記事では、基本的なマナーから、シーン別の具体的な会話例文、そして最も難しいクレーム対応のステップまで、網羅的に解説しました。
- 基本は「尊敬語・謙譲語・丁寧語」の使い分け
- シーンに合わせた「会話形式の例文」を覚える
- クレームは「5つのステップ」でチャンスに変える
- NGワードを避け、正しい言い換えを身につける
これらの知識とテクニックを日々の業務で実践することで、あなたの電話対応スキルは必ず向上します。お客様に「あなたに対応してもらえて良かった」と思っていただける、そんなオペレーターを目指しましょう。
もし、コールセンター全体の応対品質の向上や、より実践的な研修についてお困りのことがございましたら、ぜひ私たち株式会社ドリームソリューションにご相談ください。専門家の視点から、貴社の課題解決をサポートします。