2025/07/09
コールセンター、オフィス構築
コールブレンディングとは?インバウンド/アウトバウンドを両立し稼働率を上げる仕組みと導入法
コールセンターの運営において、「インバウンドの待ち時間が長いのに、アウトバウンドは人手が足りない…」といった業務の非効率さに悩んでいませんか?
その課題を解決する鍵が「コールブレンディング」です。
本記事では、コールブレンディングの基本からメリット、導入を成功させる具体的な手順、そして失敗しないための注意点まで、専門知識がない方にも分かりやすく解説します。
【この記事を読めばわかること】
- コールブレンディングの基本と仕組み
- 稼働率向上やコスト削減といった具体的なメリット
- 導入を成功させるための具体的な4つのステップ
- 失敗しないための注意点と、よくある質問への回答
コールブレンディングとは?基本を理解する
まずは、コールブレンディングの基本的な考え方を掴みましょう。
Point:インバウンドとアウトバウンドの「いいとこ取り」をする仕組み
コールブレンディングとは、顧客からの電話を受けるインバウンド業務と、こちらから電話をかけるアウトバウンド業務を、一人のオペレーターが状況に応じて両方担当する運用手法です。
業務の種類 | 主な内容 |
インバウンド | 注文受付、問い合わせ対応、テクニカルサポート など |
アウトバウンド | 商品・サービスの案内、市場調査、アポイント獲得 など |
この2つの業務を組み合わせることで、オペレーターの「手が空く時間」をなくし、コールセンター全体の効率を最大化します。
コールブレンディングの仕組み
この柔軟な運用は、CTIシステム(電話とコンピューターを連携させるシステム)によって実現されます。
【コールブレンディングの簡単な仕組み】
[顧客からの電話 (インバウンド)]
↓
[CTIシステム] → オペレーターAさん (対応中)
↓
(着信なし) → オペレーターBさん (手が空いている) → [自動で顧客へ電話 (アウトバウンド)]
↓
[新たな着信!]→ オペレーターBさん (アウトバウンドを中断) → [インバウンド対応へ]
このように、システムが自動で入電状況を判断し、オペレーターの空き時間を見つけてアウトバウンドコールを割り振ることで、無駄な待ち時間をなくします。
コールブレンディングの3大メリット
コールブレンディングを導入することで、具体的にどのような良いことがあるのでしょうか。ここでは代表的な3つのメリットを解説します。

メリット1:オペレーターの稼働率が劇的に向上する
最大のメリットは、オペレーターの遊休時間(アイドルタイム)を削減できることです。インバウンドの電話が鳴らない時間も、自動的にアウトバウンド業務を行うため、常にオペレーターが生産的な活動に従事できます。これにより、コールセンター全体の生産性が飛躍的に向上します。
メリット2:人件費などのコストを削減できる
稼働率が上がるということは、より少ない人数で多くのコールを処理できるということです。これにより、人件費の最適化が可能になります。また、インバウンドとアウトバウンドで別々のチームを編成する必要がなくなり、管理コストの削減にも繋がります。
特に、通話料はコストの中でも大きな割合を占めますが、例えば弊社が提供する秒課金サービス『ドリームコールスーパー』は、業界最短クラスの1秒単位で課金されるため、短いアウトバウンドコールが多い場合でも無駄な通話料を徹底的に削減し、コスト削減効果を最大化できます。
メリット3:顧客満足度が向上する
手が空いているオペレーターがインバウンド対応に回るため、お客様の待ち時間(放棄呼)が減少します。「電話がなかなかつながらない」というお客様のストレスを軽減し、スムーズな対応を提供できるため、顧客満足度の向上に直結します。
コールブレンディング導入を成功させる4ステップ
コールブレンディングの導入は、計画的に進めることが成功の鍵です。
ステップ1:現状分析と課題の明確化
まずは現状を正しく把握します。「インバウンドの応答率は何%か?」「オペレーターの平均待機時間は何分か?」といった具体的なデータを収集し、「待ち時間が長い」「人件費が高い」といった課題を明確にします。
ステップ2:システムの選定と導入
課題が明確になったら、それを解決できるCTIシステムを選定します。自社の規模や予算、既存のCRM(顧客管理システム)と連携できるかなどを考慮し、最適なシステムを選びましょう。
【関連サービスのご紹介】
株式会社ドリームソリューションでは、お客様の規模や目的に合わせて選べるCTIシステムをご提供しています。
- アウトバウンド業務を強力に効率化したい場合:詳細な分析機能を持ち、オペレーターの生産性を可視化できる高機能CTI『DREAM CALL NEXT』
- コストを抑えつつシンプルに始めたい場合:低コストでPC操作に不慣れな方でも簡単な『DREAM CALL』
このように、自社のフェーズや課題に合ったシステムを選ぶことが、コールブレンディング成功の第一歩です。
ステップ3:オペレーター教育
オペレーターがインバウンドとアウトバウンドの両方に対応できるよう、研修プログラムを実施します。それぞれの業務のトークスクリプトや、システムの操作方法など、実践的なトレーニングが不可欠です。
ステップ4:運用開始と効果測定
運用を開始したら、それで終わりではありません。ステップ1で設定した課題が改善されているか、定期的に効果測定を行います。稼働率や応答率などのデータを分析し、設定の見直しや追加の研修など、継続的な改善を繰り返すことが重要です。
コールブレンディングの導入参考例
ここでは、コールブレンディングを導入して成果を上げた企業の参考例を2つご紹介します。
参考例1:A社(EC・通販業界)
- 課題: セール時期は注文電話が殺到し、あふれ呼が多発。一方、通常期はオペレーターに空き時間が発生し、非効率だった。
- 施策: コールブレンディングを導入。通常期はオペレーターの空き時間に、購入履歴のある顧客へ新商品案内のアウトバウンドを実施。セール時期はインバウンド対応に集中させる設定に。
- 結果: 年間を通したオペレーター稼働率が15%向上。アウトバウンドからのクロスセルで顧客単価が5%アップし、あふれ呼の減少で顧客満足度も改善した。
参考例2:B社(金融・保険業界)
- 課題: インバウンド(手続き・問い合わせ)とアウトバウンド(新商品案内)の部門が完全に分かれており、人員配置が硬直化。人件費の高さも問題だった。
- 施策: スキルの高いオペレーターからコールブレンディングを導入。インバウンドのコールが少ない時間帯に、自動的に休眠顧客へのアウトバウンドリストがポップアップされるように設定。
- 結果: 専門チームを2つ維持するより少ない人員で同等のコール量を処理できるようになり、人件費を10%削減。オペレーターも両方のスキルを習得でき、キャリアアップとモチベーション向上に繋がった。
導入時の注意点と課題
メリットの大きいコールブレンディングですが、導入前に知っておくべき注意点もあります。
Point:オペレーターへの負荷と教育が成功の鍵
インバウンドとアウトバウンドでは求められるスキルが異なります。両方の業務を兼任することは、オペレーターの負担増に繋がる可能性があります。
- 対策1:十分な研修期間を設ける 新しい業務やシステムにスムーズに対応できるよう、焦らず十分な研修と実践トレーニングを行いましょう。
- 対策2:評価制度を見直す インバウンド・アウトバウンド両方の成果を公平に評価する制度を整え、オペレーターのモチベーションを維持することが重要です。
- 対策3:完璧を求めすぎない まずはインバウンドを優先し、空き時間にアウトバウンドを行う、というシンプルなルールから始めるなど、段階的に導入を進めましょう。
コールブレンディングに関するよくある質問(FAQ)
Q1: 導入費用はどのくらいかかりますか?
A1: コールセンターの規模や導入するCTIシステムの機能によって大きく異なります。クラウド型のサービスであれば、初期費用を抑えて月額数万円から始められる場合もあります。複数のベンダーから見積もりを取り、比較検討することが重要です。
Q2: どんな業種でも効果がありますか?
A2: 特に、ECサイト、金融、保険、旅行代理店など、顧客からの問い合わせ対応と営業活動の両方を行う業種で高い効果を発揮します。
Q3: 導入までどのくらいの期間がかかりますか?
A3: 規模やシステムの複雑さによりますが、小規模なものであれば数週間〜1ヶ月程度、大規模な場合は数ヶ月かかることもあります。事前の計画とベンダーとの綿密な連携が、期間短縮の鍵となります。
まとめ:コールブレンディングでコールセンターを最適化する
本記事では、コールブレンディングの基本からメリット、導入ステップまでを包括的に解説しました。コールブレンディングは、インバウンドとアウトバウンドの業務を融合させ、オペレーターの稼働率向上、コスト削減、顧客満足度の向上を実現する、非常に強力な手法です。
そして、このコールブレンディングの効果を最大限に引き出すには、自社の課題に合ったCTIシステムの選定が不可欠です。
もし、あなたがコールブレンディングの導入や、それに伴う通話料金の削減、業務効率化に具体的な関心をお持ちであれば、ぜひ私たち株式会社ドリームソリューションにご相談ください。
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クラウドCTI『DREAM CALL』 | 低コストでシンプルながら高機能。PC操作に不慣れなオペレーターが多い企業や、テレアポの電話料金を下げたい企業に最適です。 | コストを抑えつつテレアポ業務の効率化を図りたい企業 |
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