2026/01/22
クラウドPBXで電話番号をそのまま引き継ぐ方法|LNPの条件や移転時の注意点を完全解説
「オフィス移転を機に電話番号を変更しなければならない…」「テレワークを導入したいけれど、既存の代表番号をどうするか悩んでいる…」そんなお悩みをお持ちではありませんか?
せっかく長年使ってきた大切な電話番号を変更するのは、顧客への周知や名刺・ウェブサイトの修正など、多大な手間とコストがかかります。しかし、ご安心ください。クラウドPBXなら、現在の電話番号をそのまま引き継ぎながら、最新の電話システムを導入することが可能です。この記事では、クラウドPBXで電話番号をそのまま移行するための具体的な方法、そのメリット、そして注意点までを網羅的に解説します。
この記事を読めば、電話番号変更の心配なく、スムーズにクラウドPBXへ移行し、より柔軟で効率的な電話業務を実現できるはずです。
引き継ぎ可能な電話番号の種類
クラウドPBXで引き継ぎ可能な電話番号は、主に以下の3種類です。それぞれ特徴と引き継ぎの可否について詳しく見ていきましょう。
市外局番(0AB-J)
市外局番から始まる電話番号(東京「03」、大阪「06」など)は、「0AB-J番号」と呼ばれる地域に紐付いた固定電話番号です。クラウドPBXへ移行する際、最も多くの方が引き継ぎ(番号ポータビリティ)を希望されますが、実は「その番号をどこで取得したか」によって、引き継ぎの難易度が大きく異なります。
- 引き継ぎができる可能性が高いケース(LNP可能) NTT東日本・西日本の「アナログ回線」や「ISDN回線」を契約した際に発行された番号(電話加入権がある番号)は、多くのクラウドPBXへそのまま引き継ぐことができます。これを「番号ポータビリティ(LNP)」と呼びます。
- 引き継ぎが難しい、あるいは不可のケース NTTの「ひかり電話」で新規に取得した番号や、他社(KDDIやソフトバンク、J:COMなど)の独自回線で新しく発行された番号は、一部のクラウドPBXを除き、制度上そのまま移行できない場合があります。
注意点:市外局番エリア外への移転 クラウドPBXであっても、市外局番の管轄エリア(単位料金区域)を越えて移転する場合(例:東京03エリアから横浜045エリアへ移転)、総務省のルールにより元の番号を継続して利用することはできません。
ポイント: 「自分たちの番号がNTTの加入権で作ったものか分からない」という方もご安心ください。株式会社ドリームソリューションでは、現在お使いの番号がそのまま引き継ぎ可能かどうかの事前調査を無料で行っております。
IP電話番号(050)
050から始まるIP電話番号は、インターネット回線を利用した電話番号です。地域に紐付かないため、オフィス移転などで所在地が変わっても番号を変更する必要がないという大きなメリットがあります。
しかし、番号の「引き継ぎ」に関しては注意が必要です。実は、050番号には一般的な市外局番(0AB-J番号)のような「事業者間の番号ポータビリティ(LNP)」制度が存在しません。
そのため、現在利用しているIP電話サービスから他社のクラウドPBXへ乗り換える場合、原則として現在の050番号をそのまま継続して利用することはできません。
- 例外的に引き継げるケース: 移行前と移行後のクラウドPBXが、同じプラットフォーム(提供元)を利用している場合などは、番号を維持できることがあります。
- 対策: 050番号の維持が必須の場合は、契約中の事業者が提供するクラウドPBXプランへアップグレードするか、番号変更を機に将来性の高いシステムへ刷新することを検討しましょう。
着信課金番号(0120、0800)
0120や0800から始まる着信課金番号は、いわゆる「フリーダイヤル」として企業が顧客向けに設置する番号です。発信者側の通話料を受信者側(企業)が負担する仕組みで、顧客からの問い合わせを促進するために広く利用されています。これらの番号は、多くの場合クラウドPBXでも問題なく引き継ぎ、利用を継続することが可能です。
電話番号をそのまま引き継ぐ具体的な方法
既存の電話番号をクラウドPBXで利用し続けるには、主に以下の2つのアプローチがあります。どちらが適しているかは、「番号の出自」と「今後の移転計画」によって決まります。
番号ポータビリティ(LNP)を利用する
電話会社を変更しても、これまで使っていた番号を新しいサービスへ「移管」して利用する制度です。
- メリット: 物理的な回線契約を解約できるため、基本料金の削減効果が最も高い。
- 条件: 前述の通り、NTT加入権のある番号であることが一般的です。手続きには「休止工事費」などの初期費用が発生しますが、運用後のコストは大幅に抑えられます。
VoIPゲートウェイを設置する
オフィスに専用のアダプター(VoIPゲートウェイ)を設置し、現在のアナログ回線やひかり電話をクラウドPBXに「接続」する方法です。
- メリット: LNPに対応していない番号(他社独自の番号やひかり電話専用番号)でも、そのままの番号でクラウドPBXの機能(スマホ内線化など)が利用可能になります。
- 注意点(重要): この方法は番号をクラウドへ移すのではなく「中継」しているだけです。そのため、市外局番エリアを越えるオフィス移転の際には利用できません。 また、事務所に元の回線を残し続ける必要があるため、回線の基本料金は発生し続けます。
クラウドPBX導入で電話番号を引き継ぐメリット
クラウドPBXを導入し、既存の電話番号をそのまま引き継ぐことは、ビジネスにおいて多岐にわたるメリットをもたらします。ここでは、特に重要な4つのメリットについて詳しく解説します。
顧客への周知や修正の手間が不要
電話番号をそのまま引き継ぐ最大のメリットは、何と言っても「電話番号変更に伴う手間とコストが一切かからない」点です。新しい電話番号に変わる場合、顧客への周知はもちろんのこと、名刺、ウェブサイト、会社案内、各種契約書など、電話番号が記載されているあらゆる媒体を修正・刷新する必要があります。これには膨大な時間と人件費、印刷費などのコストが発生します。クラウドPBXで番号を引き継げば、これらの作業が一切不要となり、ビジネスの中断を最小限に抑えながらスムーズな移行が可能です。
コスト削減効果
クラウドPBXの導入は、長期的な視点で見ると大幅なコスト削減につながります。主な削減ポイントは以下の通りです。
- PBX機器の購入・保守費用が不要: 物理的なPBX機器が不要になるため、初期導入コストや、定期的なメンテナンス費用、老朽化による買い替え費用などが削減できます。
- 内線通話料の無料化: クラウドPBXでは、インターネット回線を利用するため、拠点間やスマートフォン同士の内線通話が無料になります。
- オフィス移転時の工事費削減: オフィス移転の際も、電話回線の工事が不要となるため、高額な移転費用を抑えられます。
- 通信コストの最適化: 多くのクラウドPBXサービスでは、通話料が従来の固定電話よりも安価に設定されていることが多く、全体の通信コスト削減に貢献します。
業務効率と柔軟性の向上
クラウドPBXは、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方を実現し、業務効率を飛躍的に向上させます。
- テレワーク・外出先からの電話対応: スマートフォンに専用アプリをインストールすれば、会社の代表番号で発着信が可能になります。これにより、オフィスに縛られずにテレワークや外出先からでも顧客対応ができ、ビジネスチャンスを逃しません。
- スマートフォン連携: 個人の携帯電話とビジネスフォンを統合でき、社員のスマートフォンを内線端末として利用できます。
- 多様な機能による効率化: IVR(自動音声応答)による着信振り分け、通話録音、Web会議連携、CRM連携など、ビジネスを加速させる多彩な機能が利用でき、電話業務の効率化を促進します。
- 拠点間の連携強化: 複数の拠点がある場合でも、インターネット経由で一つのシステムとして運用できるため、拠点間の連携がスムーズになり、業務の一元化が図れます。
BCP対策の強化
BCP(事業継続計画)対策の観点からも、クラウドPBXは非常に有効です。
- 災害時も事業継続可能: 地震や台風などの自然災害が発生し、オフィスが被災した場合でも、クラウドPBXはインターネット環境さえあれば稼働し続けます。これにより、オフィスが機能停止しても、社員は自宅や別の場所から電話対応を継続でき、事業の停止リスクを最小限に抑えられます。
- 緊急時の迅速な対応: 緊急時でも電話番号が変更されないため、顧客や取引先との連絡網が途絶えることなく、迅速な情報共有や対応が可能となります。
- 物理的制限からの解放: 物理的なPBX機器がオフィスにないため、機器の故障や破損による通信障害のリスクが低減します。
電話番号移行における注意点とできないケース
クラウドPBXへの電話番号移行は多くのメリットをもたらしますが、スムーズな移行のためにはいくつかの注意点や、番号引き継ぎができないケースを事前に把握しておくことが重要です。
引き継ぎできない電話番号・状況
クラウドPBXへ番号をそのまま移行できたとしても、運用面で従来の固定電話とは異なる制約が発生する場合があります。導入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔しないために、以下の3点は必ず確認しておきましょう。
1.緊急通報(110番・119番)への対応
スマホアプリやPCのソフトフォンからクラウドPBXを利用する場合、原則として110番や119番といった緊急通報への発信ができません。 これは、インターネット通信では発信場所の正確な特定が難しいためです。緊急時は、スマホ標準の電話機能(090/080/070等)から発信する必要があります。
※VoIPゲートウェイを併用し、オフィス内の固定電話機から発信する場合のみ対応可能なサービスもあります。
2.FAXやドアホンとの連携
既存のFAX機やオフィスのドアホンを電話番号に紐づけて利用している場合、クラウドPBXへの移行によってそのままでは動かなくなるケースがあります。FAXを継続利用したい場合は「インターネットFAX」への切り替えや、専用アダプターの導入が必要です。
3.ポータビリティ完了までの「空白期間」
LNPの手続きには通常2週間〜1ヶ月程度の期間を要します。その間、回線の切り替えタイミングで一時的に通話ができなくなるリスクを避けるため、綿密な工程管理が不可欠です。
オフィス移転時の注意点
オフィス移転に伴い電話番号の移行を検討している場合、特に注意が必要です。
- 市外局番の変更: 現在の電話番号(0AB-J番号)は、その地域の市外局番と紐付いています。そのため、現在の市外局番エリアを越えてオフィスを移転する場合、原則として現在の市外局番の電話番号をそのまま引き継ぐことはできません。新しい移転先の市外局番が付与された電話番号を取得する必要があります。
- 同じ市外局番エリア内での移転: 同じ市外局番エリア内での移転であれば、現在の電話番号をクラウドPBXへ引き継ぎ、継続利用できる可能性が高まります。ただし、これも通信事業者や契約内容によって異なるため、事前の確認が不可欠です。
通信品質について
クラウドPBXはインターネット回線を利用して通話を行うため、通信品質が通話品質に直結します。
- インターネット環境への依存: 安定した通話品質を確保するためには、高速かつ安定したインターネット回線が必須です。回線速度が遅い、または不安定な環境では、通話が途切れたり、音声が聞き取りにくくなったりする可能性があります。
- 推奨される回線: 光回線などの有線インターネット回線を推奨します。Wi-Fi環境やモバイル回線でも利用は可能ですが、他の通信状況に左右されやすいため、重要なビジネス通話には有線接続がより安心です。クラウドPBXサービスによっては推奨される回線速度や環境が提示されているため、導入前に確認し、必要に応じて回線環境を見直すことが大切です。
クラウドPBX選びで電話番号移行をスムーズに進めるポイント
クラウドPBXの導入を検討する際は、自社の利用している電話番号の種類や、利用したいクラウドPBXサービスが番号引き継ぎに対応しているか、事前に確認することが重要です。また、番号移行のサポート体制、提供される機能、料金体系、通話品質、導入実績なども比較検討のポイントとなります。
番号移行サポートの有無と実績
既存の電話番号をクラウドPBXへ移行するプロセスは、専門知識を要する複雑な手続きを伴う場合があります。そのため、サービス選定においては、番号移行に関する専門知識を持ち、手厚いサポートを提供しているベンダーを選ぶことが非常に重要です。
具体的には、以下のようなサポート内容を提供しているかを確認しましょう。
- 事前調査: 現在利用している電話番号が移行可能かどうかの調査
- 手続き代行: 番号ポータビリティなどの複雑な申請手続きの代行
- 移行スケジュールの調整: 業務への影響を最小限に抑えるための移行計画立案
- トラブルシューティング: 移行時の問題発生に対する迅速な対応
実績豊富なベンダーは、過去の経験からさまざまなケースに対応でき、スムーズな移行をサポートしてくれます。
引き継ぎ可能な電話番号の種類と条件
クラウドPBXサービスによって、引き継ぎ可能な電話番号の種類や条件は異なります。自社が現在利用している電話番号(市外局番の0AB-J番号、050番号、0120/0800の着信課金番号など)が、検討しているサービスで確実に引き継ぎ可能か、そしてその際の具体的な条件(追加料金、移行にかかる期間、必要な書類など)を事前に詳しく確認しておく必要があります。サービス資料や営業担当者との打ち合わせで、自社の状況を具体的に伝え、不明点を解消しましょう。
機能性、コスト、通話品質のバランス
電話番号の移行可否だけでなく、クラウドPBXが提供する機能性、導入・運用コスト、そして通話品質も総合的に評価する重要なポイントです。
- 機能性: IVR(自動音声応答)、CTI(顧客情報連携)、通話録音、Web会議連携など、自社に必要な機能が網羅されているか。
- コスト: 初期費用、月額料金、通話料、オプション費用など、トータルコストが予算内に収まるか。
- 通話品質: 安定したクリアな通話が提供されるか。特に、インターネット回線を利用するため、回線状況やサーバーの安定性が通話品質に直結します。無料トライアル期間などを利用して、実際の通話品質を体験してみることをお勧めします。
これらの要素をバランス良く検討し、自社のビジネスに最適なサービスを選びましょう。
導入実績とユーザーレビュー
実際にそのクラウドPBXサービスを導入している企業の事例や、利用者のレビューは、サービスの信頼性やサポート体制の実態を把握する上で非常に役立ちます。特に、自社と同業種や同規模の企業の導入事例があれば、より具体的なイメージを持つことができるでしょう。公式サイトの導入事例や、IT製品のレビューサイトなどを参考に、客観的な評価を収集することをお勧めします。
まとめ:電話番号そのままに、ビジネスを加速させよう
クラウドPBXで「電話番号をそのまま」引き継ぐことは、コスト削減と柔軟な働き方を両立させる最良の手段です。しかし、ここまで解説した通り、番号の出自や移転エリアによって最適な方法は異なります。
最後に、失敗しないための3ステップをおさらいしましょう。
- ステップ1:番号の「出自」を確認する お手元の「開通案内」や請求書を確認し、その番号がNTT加入権で作られたものか(LNP可能か)を把握します。
- ステップ2:移転計画と照らし合わせる 市外局番エリアを越える移転か、あるいはエリア内での効率化かが判断の分かれ目です。
- ステップ3:専門ベンダーに「事前調査」を依頼する ポータビリティの可否判断は非常に複雑です。自社で判断せず、実績豊富なベンダーに調査を依頼するのが最も確実です。
株式会社ドリームソリューションでは、番号移行の事前調査から、移行後のコストシミュレーションまで一貫してサポートしております。今の番号が使えるか不安な方は、まずはお気軽にご相談ください。