2025/07/11
2026/08/07update
IP電話が遅延する原因と対処法5つ!声が遅れる・通話がラグいときの改善方法
IP電話で声が遅れて聞こえたり、会話にタイムラグが生じたりする場合は、回線の混雑、Wi-Fiの不安定さ、ルーターやLANケーブルの不具合、ジッター、パケットロスなどが考えられます。
まずは、Wi-Fiから有線LANへの切り替え、動画視聴や大容量通信の停止、ルーターと電話端末の再起動を試してください。それでも改善しない場合は、回線状況の測定、ネットワーク機器の見直し、QoS設定を確認します。
IP電話の遅延は、次の順番で対処すると原因を切り分けやすくなります。
1. Wi-Fiから有線LANへ切り替える
2. 大容量通信を止めて回線状況を測定する
3. ルーターや電話端末を再起動・更新する
4. LANケーブルやルーターを確認する
5. QoSで音声通信を優先する
これらを試しても改善しない場合は、利用中のインターネット回線やIP電話サービスの提供会社へ、障害状況や通話ログの確認を依頼してください。
この記事では、IP電話が遅延する原因と、自社で試せる5つの対処法を解説します。遅延、ジッター、パケットロスの見方や、改善しない場合に確認しておきたい項目も紹介します。
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※現在利用中の他社サービスの不具合調査は行っていません。障害状況や通話ログについては、契約中の回線・IP電話サービスの提供会社へお問い合わせください。
IP電話が遅延する5つの原因
IP電話は、音声を小さなデータに分割し、インターネット回線を通じて送受信します。そのため、回線やネットワーク機器の状態によっては、音声が届くまでに時間がかかったり、データの一部が失われたりします。
インターネット回線が混雑している
IP電話と動画視聴、オンライン会議、クラウドへのバックアップなどが同じ回線を利用していると、通信が集中することがあります。
特に、複数人が同時にインターネットを利用する時間帯は、音声データの送受信が遅れ、会話にタイムラグが生じる場合があります。
契約上の最大通信速度が速くても、利用者が多い時間帯や社内通信が集中している状況では、十分な速度が出るとは限りません。
Wi-Fiの電波が不安定になっている
Wi-Fiは、ルーターとの距離、壁や扉、周囲の電波、接続端末数などの影響を受けます。
電波が弱い場所や通信が不安定な場所でIP電話を使うと、声が遅れたり、音声が途切れたりする原因になります。
同じ社内でも、特定の席や会議室だけで問題が起きる場合は、Wi-Fi環境の影響が疑われます。
ルーターやLANケーブルに問題がある
ルーターの処理能力が不足している場合や、長期間再起動していない場合は、通信が不安定になることがあります。
LANケーブルの破損、差し込みの緩み、LANポートの不具合も通話品質へ影響します。
一部の端末だけで遅延が発生している場合は、端末からルーターまでの接続経路を確認してください。
ジッターが大きくなっている
ジッターとは、音声データが届く時間のばらつきです。
IP電話では、細かく分割された音声データが一定の間隔で届くことで、会話として再生されます。到着する間隔がばらつくと、音声が不自然になったり、声が途切れたりします。
回線の混雑やルーターの処理遅延などが、ジッターを大きくする原因になります。
パケットロスが発生している
パケットロスとは、送信した音声データの一部が相手へ届かない状態です。
パケットロスが発生すると、声の一部が欠ける、音声が途切れる、会話が聞き取りにくくなるといった症状が現れます。
回線の混雑、Wi-Fiの不安定さ、ネットワーク機器の不具合などが主な原因です。
症状から考えられる原因
同じ「電話が遅れる」という症状でも、発生している問題は異なります。
| 症状 | 考えられる原因 |
|---|---|
| 相手の声が遅れて聞こえる | 回線の混雑、通信遅延 |
| 会話のテンポが合わない | 遅延時間の増加、長い通信経路 |
| 音声が途切れる | Wi-Fiの不安定さ、パケットロス |
| 声が震える・聞き取りにくい | ジッター、回線の混雑 |
| 一部の端末だけで発生する | 端末、アプリ、LANケーブル、接続先 |
| 社内全体で発生する | 回線、ルーター、サービス側の障害 |
| 特定の時間帯だけ発生する | 社内通信または回線の混雑 |
症状だけで原因を断定するのは難しいため、問題が発生する端末、時間帯、場所を記録しながら確認します。
IP電話の遅延を改善する5つの対処法
一度に複数の設定を変えると、どの対応で改善したのか分からなくなります。1つずつ試し、通話品質に変化があったかを確認してください。
1.Wi-Fiから有線LANへ切り替える
パソコンやIP電話機をWi-Fiで接続している場合は、有線LANへ切り替えて通話を試します。
有線LANは、Wi-Fiに比べて壁や周囲の電波による影響を受けにくいため、接続方法を変えるだけで症状が改善する場合があります。
有線LANへ切り替える際は、次の点も確認します。
・LANケーブルが抜けかけていないか
・ケーブルが潰れたり折れたりしていないか
・別のLANポートでも同じ症状が出るか
・別のLANケーブルへ交換すると改善するか
2.大容量通信を止めて回線状況を測定する
IP電話と同じ回線で、次のような通信が行われていないか確認します。
・動画の視聴や配信
・オンライン会議
・大容量ファイルの送受信
・クラウドストレージへの同期
・データのバックアップ
・OSやアプリの更新
これらを一時的に停止し、IP電話の遅延が改善するか試してください。改善した場合は、IP電話の利用時間帯に社内通信が集中している可能性があります。
回線を測定するときは、上り・下り速度だけでなく、Ping値、ジッター、パケットロスも確認します。1回の測定だけで判断せず、問題が起きる時間帯と起きない時間帯の両方で測定してください。
回線速度は、同時通話1回線あたり上り・下り1Mbps程度を目安に確認します。これは、Web会議やファイル送信など、ほかの通信も含めて余裕を持たせた目安です。必要な帯域はサービスやコーデックによって異なるため、利用中のIP電話サービスが示す推奨環境も確認してください。
3.ルーターや電話端末を再起動・更新する
ルーター、パソコン、IP電話機、ソフトフォンアプリを再起動します。一時的な処理の滞留やアプリの不具合であれば、再起動によって改善することがあります。
再起動後も遅延が続く場合は、次の項目を確認します。
・ルーターのファームウェアが最新か
・ソフトフォンアプリが最新か
・パソコンやスマートフォンのOSが対応しているか
・特定の端末だけで症状が出ていないか
・VPNの使用時だけ発生していないか
業務中にルーターを再起動すると、社内の通信が一時的に止まります。利用者への影響が少ない時間帯に行ってください。
4.LANケーブルやルーターを確認する
再起動しても改善しない場合は、機器や配線を確認します。
同じ端末を別のLANポートへ接続する、LANケーブルを交換する、別の端末で通話するといった方法で、問題が起きている場所を絞り込みます。
導入当初より社員や端末が増えている場合は、現在の接続台数にルーターの処理能力が合っていない可能性もあります。次の順番で確認してください。
1. LANケーブルを差し直す
2. 別のLANポートへ接続する
3. LANケーブルを交換する
4. 別の端末で通話する
5. ルーターの利用年数と接続台数を確認する
5.QoSで音声通信を優先する
QoSは、ネットワーク上の通信に優先順位を付ける仕組みです。
IP電話の音声通信を優先するように設定すると、動画やファイル送信などで回線が混雑した場合も、通話に必要な通信を先に処理できます。
利用中のIP電話がSIP over UDPを使用している場合は、UDP 5060のSIPシグナリングをQoSの対象にします。ただし、実際の音声はRTPで送受信されるため、サービスが指定するRTPのUDPポート範囲もあわせて優先してください。設定値は、IP電話サービスとルーターの仕様を確認します。
電話サービス自体の切り替えを検討している場合
有線LANへの切り替えや機器の再起動を行っても改善せず、現在の回線・IP電話サービスの提供会社へ問い合わせたうえで電話サービス自体を見直したい場合は、クラウドPBXへの切り替えも検討できます。Dream Cloud PBXは、会社の代表番号をPCやスマートフォン、SIP対応IP電話機で利用できる法人向けクラウドPBXです。
IP電話の遅延原因を調べるときに確認したい数値
IP電話の通話品質を調べる際は、通信速度だけでなく、遅延、ジッター、パケットロスを確認します。
| 指標 | 確認できること |
|---|---|
| 遅延・レイテンシ | 音声が相手へ届くまでの時間 |
| Ping値 | 通信先との往復にかかる時間 |
| ジッター | 音声データが到着する時間のばらつき |
| パケットロス | 送信したデータが届かなかった割合 |
| 上り速度 | 自分の音声データを送信する速度 |
| 下り速度 | 相手の音声データを受信する速度 |
CiscoのVoIP設計資料では、高品質な音声通信の目安として、片方向の遅延を150ミリ秒未満、ジッターを30ミリ秒未満、パケットロスを1%未満に抑える基準が示されています。ただし、実際の品質は使用するコーデック、端末、サービス、測定方法によって変わります。
遅延・レイテンシ
音声を送信してから、相手へ届くまでの時間です。遅延が大きくなると、相手の返答を待たずに話し始めてしまうなど、会話のテンポが合わなくなります。
速度測定ツールに表示されるPing値は往復の時間であり、片方向の音声遅延と同じ数値ではありません。目安の一つとして確認してください。
ジッター
音声データが届く間隔のばらつきです。平均的な通信速度に問題がなくても、データの到着時間が不安定であれば、声が途切れたり不自然に聞こえたりします。
パケットロス
送信したデータのうち、相手へ届かなかった割合です。数値が一時的に大きくなる場合は、その時間帯に回線の混雑やWi-Fiの不安定さが起きていないか確認します。
上り・下り速度
IP電話は、音声データを送信しながら受信します。そのため、下り速度だけでなく上り速度も確認します。
ただし、通信速度が速ければ必ず音質が安定するわけではありません。遅延、ジッター、パケットロスもあわせて確認してください。
5つの対処法を試しても改善しない場合
有線LANへの切り替えや機器の再起動を行っても改善しない場合は、現在利用しているインターネット回線やIP電話サービスの提供会社へ問い合わせてください。
問い合わせる前に、次の情報を整理しておくと、状況を伝えやすくなります。
・遅延が発生した日時
・発信・着信のどちらで発生したか
・使用していた端末
・有線LANかWi-Fiか
・一部の端末か社内全体か
・特定の時間帯だけ発生するか
・再起動やケーブル交換を試したか
・測定したPing値、ジッター、パケットロス
提供会社側で通話ログを確認できる場合は、問題が発生した通話の日時や電話番号を伝え、調査を依頼します。
IP電話の遅延に関するよくある質問
IP電話が遅れるのは回線速度が遅いからですか?
回線速度だけが原因とは限りません。Wi-Fiの不安定さ、回線の混雑、ルーター、LANケーブル、ジッター、パケットロス、IP電話サービス側の障害なども遅延に影響します。
速度測定では十分な数値が出ている場合も、ジッターやパケットロスを確認してください。
特定の時間帯だけ通話が遅れるのはなぜですか?
同じ回線を利用する人や端末が増え、通信が混雑している可能性があります。動画視聴、オンライン会議、バックアップなどが集中していないか確認し、問題が起きる時間帯と通常時の測定結果を比較してください。
Wi-Fiから有線LANへ変えると改善しますか?
Wi-Fiの電波状況や干渉が原因であれば、有線LANへの切り替えで改善する可能性があります。有線LANへ変更しても症状が変わらない場合は、ルーター、回線、端末、IP電話サービス側を確認します。
1台の電話だけ遅延する場合は何を確認すればよいですか?
該当端末の再起動、アプリの更新、LANケーブル、LANポート、ヘッドセットなどを確認します。同じ場所で別の端末を利用し、症状が再現するかを試すと、端末とネットワークのどちらに原因があるかを切り分けられます。
IP電話サービスを変更すれば遅延はなくなりますか?
サービスを変更するだけで、必ず遅延が解消するとは限りません。社内の回線やWi-Fi、ルーターに原因がある場合は、サービスを変更しても同じ症状が出る可能性があります。現在の電話環境と症状を整理したうえで、利用中の提供会社へ相談してください。
まとめ|IP電話の遅延は回線・機器・接続方法の順に確認する
IP電話で声が遅れて聞こえたり、通話がラグくなったりする場合は、回線の混雑、Wi-Fi、ルーターやLANケーブル、ジッター、パケットロスなどを確認します。
最初に試したい対処法は、次の5つです。
1. Wi-Fiから有線LANへ切り替える
2. 大容量通信を止めて回線状況を測定する
3. ルーターや電話端末を再起動・更新する
4. LANケーブルやルーターを確認する
5. QoSで音声通信を優先する
一部の端末だけで発生する場合は端末や接続方法、社内全体で発生する場合は回線やルーターを中心に確認します。
社内で原因を特定できない場合は、問題が発生した日時、端末、接続方法、症状を整理し、利用中のインターネット回線やIP電話サービスの提供会社へ問い合わせてください。
Dream Cloud PBXへの切り替えを検討している方へ
現在のIP電話で遅延や音切れが続き、電話サービス自体の見直しを検討している場合は、法人向けクラウドPBX「Dream Cloud PBX」を選択肢の一つとしてご検討ください。株式会社ドリームソリューションでは、利用する電話番号、内線数、最大同時通話数、必要な機能などを伺い、導入構成と費用をご案内します。
※既存環境の遅延調査ではなく、Dream Cloud PBXの新規導入・切り替えに関する相談窓口です。